2019.04.04

薬剤師以外のピッキングが可能に どこへ行く薬剤師

厚生労働省医薬・生活衛生局総務課は4月2日付で、薬剤師以外が行うピッキングや一包化が、薬剤師の指示の下での実施など一定の要件を満たせば可能であることなどの旨を記した通知を都道府県宛に発出した。調剤業務が薬剤師以外でも行えることが明文化され、今までグレーだった部分に国のお墨付きが出たというわけである。
さてこの文書に関して、SNS上では薬剤師の活発な意見が相次いで見られた。テクニシャンが導入されるのか、事務の仕事が増えるのかはまだ明確ではないが、調剤業務の一部を薬剤師以外に明け渡すのである。このことを薬剤師の仕事が奪われるとネガティブに捉えるのか、業務の負担が軽くなるとポジティブに捉えるのかで意見は分かれる。共通して言えることは、調剤しかやらない、出来ない薬剤師はいらなくなるということだ。監査、投薬の比重が増え、薬剤師にあって然るべき薬の知識が問われるいい機会だと、私は考えている。思えば薬剤師の仕事が世間から軽く見られるときに耳にするのが「薬を棚から取ってそんな高給でいいね」ではなかろうか。同業の皆さんなら何度か耳にした事のある言葉に違いない。たしかに薬を取ることは薬剤師でなくても出来ることなのである。しかしその業務は薬剤師の業務のほんの一端でしかない。悲しいかな世間ではそれがメインの仕事だと思われているようなのだ。
今回の改正で、監査と投薬がメインの仕事になる職場が増えるのであれば、薬剤師の世間の見方が変わる、いいきっかけになるのではないだろうか。
一方でSNS上では、これで薬剤師の仕事が奪われる、とか国は薬剤師を減らそうとしているという意見も目立っていた。確かに調剤室に薬剤師が減れば、医療費の軽減には繋がるだろう。しかし私はこのことを、薬剤師のスキルの拡大を図ったものではないかと感じている。かかりつけや健康サポート薬局の推進がいまひとつ進んでいないのは、薬剤師の業務過多の一面が少なからず影響している。業務をスリム化することで薬剤師が今後国の考える地域医療の未来像に注力して欲しいというメッセージと感じた。
私は薬剤師の仕事が消えてなくなるようなものではないと考えている。しかし今後は淘汰される時代に入ったことは間違いない。国は庇護から選別へと舵取りを切ったのである。監査、投薬というものにいっそう責任を持ち、そのスキルの向上をはかれない者は厳しい状況に置かれるだろう。しかしそれは、薬剤師に限ったことではなく、時代の趨勢に他ならない。薬剤師免許という資格に胡坐をかかず、時代の波に上手くあわせていくことが、来るべき「令和」時代の薬剤師像なのだと痛感した次第である。
(文・アラフォー薬剤師・TAKA)

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